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CATEGORY: 本

 

TITLE: よるの夢こそまこと

CATEGORY: 本 DATE: 11/23/2018 00:37:03


 

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名探偵といえばシャーロック・ホームズ。

作者のコナン・ドイルは、

有名なコティングリー事件で、

少女達が撮影した「妖精の写真」を本物だと擁護した。

理詰めの推理を重ねるホームズとは真逆で

意外な横顔ではあるが、

コナン・ドイルの親戚リチャード・ドイルは、

愛らしい妖精の世界を描いた画家だった。

 

ちくま文庫「妖精の国で」は、

リチャード・ドイルの妖精画を

手軽に楽しめる一冊だが、

残念ながら絶版のようで新品は売られていない。

図書館で探すか、中古本を買うか。

繊細な描線と

生き生きした妖精たちの表情に

魅了されて以来、憧憬の対象。

コナン・ドイルの親戚なので尚更に憧れるのかも。

 

「刑事コロンボ」で主演のピーター・フォークは、

まだ冷戦下の東西ドイツ時代に撮られた

映画「ベルリン天使の詩」において、

堕天使に助言する不思議な男を味わい深く演じた。

眼光鋭いコロンボ刑事が、

ファンタスティックで温もりあるマージナルマンに

変身したようで、

出番は短いのだが鮮烈な印象を残した。

 

コナン・ドイルの親戚の妖精画。

刑事ドラマの人気俳優が演じた天使の詩。

案外、ミステリーと異界物語とは近いのかもしれない。

この世の謎を解くのがミステリー、

異界の夢を伝えるのが妖精譚。

江戸川乱歩は、

詩人デ・ラ・メアの言葉

「うつし世はゆめ、よるの夢こそまこと」

を座右の銘にしていたという。

 

妖精譚とミステリーとの出会いならば、

「ハリー・ポッター」シリーズは典型例かもしれない。

児童向けファンタジーに分類されてはいるが、

魔法使いの学校を舞台にした「学園ミステリー」であり、

人の心に潜む愛憎、

その謎を追いつつ展開される悲喜劇は、

夢幻の神秘とよぶにはあまりにも現世的である。

 

 

 

TITLE: コーヒー好きな名探偵

CATEGORY: 本 DATE: 11/23/2018 00:32:55

 

探偵フィリップ・マーロウが活躍する

「長いお別れ」「さらば愛しき女よ」には、

ときどきマーロウがコーヒーを淹れる場面があって、

「濃いブラックコーヒーは血になるのだ」

なんて格好よい言葉が出てくる。

作者レイモンド・チャンドラー亡き後も、

続編が書かれるほどの人気ぶり。

コーヒー好きな名探偵。

 

さほど推理小説を読んだわけでもないけれど、

探偵といえばフィリップ・マーロウを思い浮かべる。

ハードボイルドな文体でも、

読後に残るのは哀切なほろ苦い抒情性で、

そこに惹かれるのかもしれない。

熱いブラックコーヒーは血になるのだ、だったっけ……

疲れ切った身でコーヒー一杯、また事件に向かう。

 

実直なマーロウのキャラクターが伝わってくる、

ほんの些細な描写・彼のひと言が、

なぜかしら心に残る。

 

 

 

TITLE: 繊細なハードボイルド

CATEGORY: 本 DATE: 04/19/2018 13:02:04

海辺の王国 ロバート ウェストール www.amazon.co.jp/dp/4198601240/ @amazonJPさんから


なんだか無性にロバート ウェストールの作品を読み直したくなった……
重くて暗い作風、大人の秩序感は崩壊してみえる状況、それを未熟でときに凶暴な少年のまなざしで刻々と描写。
ファンタジーで成長文学ではあるが、少年の成長の描かれ方がほろ苦く、脱皮という言葉が似合う。
繊細なハードボイルド。



 

 

TITLE: 絵本「犬になった王子 チベットの民話」

CATEGORY: 本 DATE: 12/16/2017 16:17:00




- 種をまく犬 -

 
このごろ、とても心惹かれた絵本があります。
 
「犬になった王子 チベットの民話」
(君島久子 文・後藤 仁 絵、岩波書店、2013年)
 
この絵本の原話は、
四川省のチベット族の古い伝承で、
主食ツァンパの原料となる大麦の種が
どのように部族にもたらされたかを語る、
天地創造につぐ重要な神話だそうです。
 
はるかな苦難の旅の末、
蛇王から種を盗んだプラ国のアチョ王子は、
犬の姿に変えられてしまい、
その呪いをとくためには、
ロウル村の美しい娘ゴマンの、
愛と試練とが必要でした。
犬が首に種のふくろをかけ、
その種をまきながら旅する後を、
芽や成長した麦の跡をたどってゴマンが追い、
とうとう金色に大麦が実るプラ国で、
人間に戻れたアチョと村娘ゴマンは、
幸せな王と王妃になります。
 
プラ国とロウル村の間には
幾千里という麦穂の土地が広がっていた、という
雄大な恵みの物語には、
大切な人を探して種をこぼしつつ世界をめぐる
大地母神の面影が宿っています。
北欧のフレイヤ、ギリシアのデメテル、エジプトのイシスなど
有名な女神の類話がいくつも思い浮かびますが、

こんなに愛と冒険の旅が美しく語られている古い伝承を、
初めて読みました。
地を耕す人々の祈りがこもっています。
慈愛に満ちた日本画の挿絵が、
風土に根ざした豊かな抒情性で
物語の世界観を伝えてくれます。
 
アチョ王子が姿を変えられた犬ですが、
古代エジプトでは大犬座のシリウスが
「イシスの星」であり、
東の空で曙光を先導して輝くシリウスは、
雨期(ナイルの氾濫期)と新年の訪れとを告げる、
豊穣のしるしでした。
犬が種をまく物語には、
あるいはそんな背景が隠れているかもしれません。
 
2018年の暦の干支は「戊戌」
どうか実り豊かな年でありますように。



 

 

 

TITLE: 「巨悪対市民 今治発!加計学園補助金詐欺事件の真相」

CATEGORY: 本 DATE: 11/19/2017 17:04:54





読了しました。
時間をとってじっくり読もうと
身構えていたのですが、
読み始めたら一気に2時間弱で
「あとがき」まで目を通しました。

設計図などの資料は、
専門の知識がないので
自分では読み解けないのですが、
本文は
「あ、これ、ネットで読んだっけ」
という内容の集大成で
わかり易かったです。
(*^-^*)





「巨悪対市民 今治発!加計学園補助金詐欺事件の真相」
黒川敦彦 編著


流出した 獣医学部の設計図を掲載、
今治市と愛媛県への補助金申請額と、
学舎の設計図から浮かぶ
実際の建設費の坪単価の問題。
国際レベルの研究施設を
うたいながらも、
高度な研究には耐えられそうもない
安普請の素人設計。
その乖離から「補助金詐欺の強い疑い」を告発。

加計学園と政治的関係者への、
今治市民の宣戦布告の書。





「巨悪対市民」を読み、
加計獣医学部バイオハザードへの危惧について、
マスコミはおろか国や愛媛・今治の行政でも
ろくに精査されてこなかったであろう
これまでの展開に
大きな問題を感じました。

設計図から予想される
バイオハザードの懸念については、
8月の民進党PTで、
本書の著者・黒川敦彦さんが
「ちょっと待って下さい、今治市民は
文科省ドノがきちんと審査してくれるから
大丈夫と思っているんですよ!?」
と疑問を投げかけましたが、
文科省の担当者は、
「それは厚生労働省の管轄です」
と責任の所在をたらい回しにしました。

もとは国家戦略特区での認可問題
(石破4条件)にまで
さかのぼって再考されるべき問題です。

今治市民にとっては、
危険なウィルスをも扱う研究施設が
ずさんな管理のもとに
稼働されてしまう計画は、
安全安心な暮らしを脅かす大問題ですから、
告発やデモ、本書の出版など
黙っていられないのも、
当然の成り行きです。

(以下、本書中のp.60記述から引用)

●H29・1・23
「周知の埋蔵文化財包蔵地内における土木工事等届出」
この資料により、古墳の上に校舎を建てることが判明した。


(引用終わり)


この「古墳の上の校舎」から発想しまして
こわされた古墳からよみがえった
「はにわ戦士」を描いてみました。








ウィルスによる環境汚染の不安など、
今治市で子育てを営んでいる
お母さま方は、
どのように受け止めていらっしゃるのか、
気になります。

この問題の行方を
息長く見届けていきたいと
市井のはしっこで
かげながら……

今治市民の有志の方々を
応援しています。


(追記)

その後の「つばさの党」問題を残念に思い、

黒川敦彦氏を評する言葉など 一部を削除しました。

(2024.5.19)

 

 

 

 

 

 

- Yahoo!ブログ「はちみつみかん」より -

 

 

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