君に似る草


於君似 草登見従 我標之 野山之淺茅 人莫苅根

君に似る
草と見しより
我が標(し)めし
野山の浅茅(あさぢ)
人な刈りそね

きみににる
くさとみしより
わがしめし
のやまのあさぢ
ひとなかりそね


作者不詳
( 万葉集 7巻1347番 寄草 )


万葉集/第七巻 – Wikisource


「君」という語があるので、
女性から男性への相聞歌かと思ったが、
男性から女性への想いを詠んだ歌とする
解釈が、検索やAIの見解ではほとんど。
「君」を身分の高い女性とすると、
野山の浅茅(注連縄で囲んだ?)は、
何か神聖なニュアンスを含むのだろうか。
浅茅(あさぢ)=チガヤに例えられたのは、
しなやかで爽やか、素朴な女性だろうか。


野蒜(ノビル)


野蒜が咲いていた。
今頃どこかで花橘も
咲き香っているのだろう。
万葉集や古事記をきっかけに、
庭や街路の草花に
親しみを持てるようになった。

いざ子ども 野蒜つみに
蒜摘みに わが行く道の
香妙し 花橘は
上枝は 鳥居枯らし
下枝は 人取り枯らし
三つ栗の 中つ枝の
ほつもり 赤ら嬢子を
いざささば 宣らしな

いざこども のびるつみに
ひるつみに わがゆくみちの
かぐわし はなたちばなは
ほつえは とりゐからし
しずえは ひととりからし
みつぐりの なかつえの
ほつもり あからをとめを
いざささば よらしな

(古事記 応神天皇条)


闇にや妹が


多妣尓安礼杼 欲流波火等毛之 乎流和礼乎 也未尓也伊毛我 古非都追安流良牟

旅にあれど
夜は火灯し
居る我れを
闇にや妹が
恋ひつつあるらむ

たびにあれど
よるはひともし
をるわれを
やみにやいもが
こひつつあるらむ


壬生宇太麻呂
( 万葉集 15巻3669番、遣新羅使 天平8年 年紀 羈旅 望郷 恋情 福岡 韓亭 )

万葉集/第十五巻 – Wikisource


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