いばらのかげ

いばらのかげに、
ひもじさ、さむさ。
花さくかげに、
白金(しろがね)、黄金(こがね)。

ののさま どちら?
いばらのかげで、
ねんねを 抱いて、
花つんで ござれ。

北原白秋訳 まざあ・ぐうす (aozora.gr.jp)
北原白秋 お月さまいくつ (aozora.gr.jp)


この鮮やかな黄薔薇の名は
「マルコポーロ」

「黄金の国ジパング」を記した
「東方見聞録」の著者にちなむ
花の名だという。

海をわたり砂漠を旅し、
国境をこえての旅路の詳細を
口述した彼の見聞録は、後世に
大きな影響を及ぼした。が、
生前は世間から半信半疑の扱い
だったとも伝わる……そんな
中世の大冒険家で豪商だった
マルコ・ポーロ。その名を頂く
「黄金の薔薇」が咲き香る姿は、
実の母を若くして喪い、
故郷をはなれ遠く旅立った
彼の波乱にみちた人生とともに、
ふとマザーグースの歌を
思い起こさせる。

いばらのかげに、
ひもじさ、さむさ。
花さくかげに、
白金(しろがね)黄金(こがね)……


マルコ・ポーロ – Wikipedia


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