花の色は
うつりにけりな
いたづらに
わが身世にふる
ながめせしまに
(小倉百人一首 9番 小野小町 『古今集』春・113)
月の船
異国の姫は、月と水源の巫女で
身分は高いけど孤独。なぜなら
故郷を離れて神殿に仕えている。
織物・陶芸など遠い地の技術を
伝えるために。
留学生のハニワくんに親しみを
感じる姫だけど、ハニワくんの
帰国で二度と会えない別れに。
黒猫がハニワくんの船に乗って、
姫のかわりに海と時をこえる。
(2020.11.14 Twitter より)
窓からのぞく三日月の気配と
不思議な子守歌の声に誘われ
外に出てみたら、黒猫がいて、
その足取りを追って迷い込む
夜の博物館。チケットは?
銀河鉄道ジョバンニの切符?
知らないうちにポケットの中
オリオンを記した若葉色の紙。
展示中の陶器の杯、猫の足跡。
猫の足跡が点々と増え、導く
異界。
(2020.1.2 Twitterより)
猫に案内されて、見知らぬ博物館に。
ポケットにいつのまにかチケットが。
展示ケースの須恵器に猫の足跡。
その足跡が点々とふえて、黄昏色の幕へと。
幕に「ここはどこ?私はだれ?今はいつ?」
の文字、オリオン座が描かれている。
幕を開けると、工事で失われた大岩。
大岩に器をならべる女性?
(2020.1.19 Twitter より)
過去の姫の夢の中で
門番をしている精悍な猫(獅子)
VS
ハニワくんの記憶を追体験する
ぼくの傍らに寄り添う黒い子猫
(未来に向かうときの流れ)
黒い子猫の助力で
精悍な猫(獅子)を圧倒するぼく
→いばら姫(あかつき姫)の眠りが覚める
過去と未来と現在がもつれてる?
書かないと解けない。
(2020.2.5 Twitter より)
一昨年の秋にTweet したハニワくん、
ひらがな多用、小見出し6章、
見出しひとつにつき、15Tweet 前後の文字数
でお話を書いてた。
一昨年の秋だから、かなりうろ覚え。
原稿用紙にしたら20枚~30枚の内容かな……
ざっくりメモのまま置いてある。
「くろ・くろにくる(仮)」
も、同じような字数?
(1) たそがれの館(猫の足跡の器)
(2) 星座の切符(相撲)
(3) 三日月の舟(異界の館)
(4) ねむり姫(不死の酒を断る)
(5) 金の実(苗木や種、書物をさずかる)
(6) ののさまどちら(暁の古墳、帰還)
前のお話に比べると、起伏が少ない気がする。
文字数は少なめがよいかも。
あるいは小さな危機をつくる。
ハニワくんと異界の姫との淡いロマンスを
ぼくが追体験……黒猫が過去と現在をつなぐ。
(2020.1.5 Twitter より)
謹賀新年 2021
幸多い年でありますように。
くろうさぎのクリスマス
くろうさぎは、おおいそがし。
こんやじゅうに、たくさんのおくりものを
くばらなくては。
さむいきたのくにで、くろうさぎは、
みずうみのこおりのかけらをすくって、
まほうびんにいれました。
「こおりがとけないうちに、はやく
かえってきてね」
うちでまっている、しろうさぎが
そうおねがいしたからです。
「さあ、しごとはおわった」
ゆきのはらにそりをはしらせ、
もりのうちにかえろうとしたとき、
くろうさぎは、こごえたいちわの
つばめをみつけました。
「みなみのくにまで、もうひとっぱしり!」
そりをひくトナカイが、
よぞらにすずのねをひびかせ、
まいあがりました。
とべないつばめをのせて……
やまをこえ、かわをこえ、
さむいきたのくにから
あたたかなみなみのくにまで、
とおくとおくそりはかけて、
ようやくつばめは、なかまのもとへ。
「よかったね、まいごさん」
くろうさぎは、ほっとしました。
でも、はしりつかれたトナカイは
「もううごけないですよぉ」
と、おはなをまっかにして
あせびっしょりです。
「つめたいこおりで、げんきをだして」
くろうさぎは、まほうびんの
こおりのかけらを、トナカイにそっと
さしだしました。
こおりはすぐにとけて、
きれいなみずになりました。
トナカイは、つめたいみずをのんで、
しゃんとたちあがっていいました。
「もうすぐよがあける。はやく
うちにかえりましょう」
ほしがきえてあさひがのぼるころ、
トナカイのそりは、もりにつきました。
「おかえりなさい」
しろうさぎが、まっていました。
「こおりはとけてしまったよ。
すまないが、かわりにこれを」
くろうさぎのてには、いちりんのはな。
「まあ、ひとあしはやい、はるのかおり」
しろうさぎは、にっこり。
「みなみのくにに、よりみちしたよ」
くろうさぎのことばにうなずいて、
しろうさぎは、テーブルのグラスに、
はないちりんをかざりました。
「みずうみのこおりをうかべた
このグラスでふたり、かんぱい
するつもりだったけど」
テーブルには、おいしそうな
あさごはんがならんでいます。
「なんてやさしい、はるのいろ」
みなみのくにや、きたのくに、
ひがしのくにに、にしのくにでも、
とどけられたおくりもののつつみが、
そろそろ、ひらかれているでしょう。
たくさんのえがおをおもいうかべ、
おなかがいっぱいになった
くろうさぎとトナカイは
あくびをしました。
おやすみなさい、みなさん、
よいゆめを……
(2020.12.25 Twitter より)
翼もつ鳥のように訪れるもの
ルガルバンダ – Wikipedia
アンズー鳥のヒナに
餌を与え巣を飾り、
親鳥の心を掴んで加護を得た、
中東神話の末っ子王子。
隣国との和平の使者たりうる
「脚力と腕力」を親鳥に授かる。
鳥のヒナを飼いならし使役した
古代人の姿を彷彿とさせる。
神鳥を捕る王。
鳩 – Wikipedia
Wikipedia 「鳩」の項より以下引用。
ハトはおおよそ10000年から6000年ほど前の新石器時代に飼育動物化されたと考えられている。(略)
当初は神経質な成鳥にくらべ人に慣れやすく飼いやすいハトの雛を成長させる目的で飼育がはじまり、やがて家禽化していったと考えられている。
中近東では古くより、乾燥した風土でも放し飼いでよく増える性質があるため、ハトのための養殖場(塔のような建造物)もあり、貴重な動物性蛋白源として、一般的に利用されている。鳩の塔(ピジョン・タワー)と呼ばれるこの塔は、高さは10mから15mほどで、場所によってスタイルが違う。
(同上リンクより引用終了)
古代から現代に続く中近東・エジプトにある
「鳩の塔」、一万羽もの鳩が営巣するという。
肥料のための糞や、食料としての鳩・卵を得る
建造物で、古代人の知恵を伝えるローテクの
記念碑的な価値もあるという。
鳩の帰巣について、ノアの箱舟にオリーブの枝
をくわえて戻ってきた、と聖書に記される。
昼は外界を飛び回っても、夜には
巣のある塔に戻ってきて眠る鳥たち。
人は空っぽの塔(建物)だけ準備。
この営みから、神の宮のイメージが
生まれたのだろうか?ふと夢想する。
あるいは祖霊の墓、あるいは神棚、
あるいは神の依り代(神木)。
季節を告げる渡り鳥、
塔に営巣する鳩、
その翼。
魂。
旅立っても回帰する、
見えなくても再来する、
祖霊、そして芽吹きの季節。
翼もつ鳥のように訪れるもの。
エゼキエル書13章18節
「手の節に呪縛の組紐をつけ、諸々の頭に合う呪祓の被り物(ミスパホート 散らすを表すサパーフから)を作り被らせる」巫女
「鳥を捕らえるごとく魂をとる」儀礼を行う者
旅立っても「この地に」回帰する、
見えなくても「この地に」再来する、
祖霊そして芽吹きの季節。
翼もつ鳥のように「ここを」訪れるもの。
ホームグランドの意識が底流にあるのでは。
セイレーンの歌声は、
望郷、常世への憧れ、異界の呼び声。
再び巡る芽吹きと生命の季節への渇望。
嘆きと祈り。
中近東の舞踏を検索したら、
ベリーダンスが出てきた。
手の節に組紐、頭に被り物、
豊穣女神の巫女が舞うイメージ?
「鳥を捕らえるごとく魂を捕らえる」
古代の祭事で奉納された
魅惑的な舞い?
ベリーダンス – Wikipedia
(2020.11.12 Twitter より)
日本神話なら、
アメノウズメの天岩戸開きの踊り?
(2020.11.14 Twitter より)
雨の木 – ぶるーまーぶる (fairy-scope.com)