蛇行剣と銅鏡の盾(Bing Image Creator)


蛇行剣と銅鏡の盾?あれアタシの。
磨かれた鏡の反射を背に、
女装した英雄の活躍を演じたわ。
演目は大蛇退治、つまりアタシは
龍蛇を従えた魔導士なの。
この地は藁の龍蛇の野神祭りが盛んよね。
蛇行剣はその豪華版で、鉄の祭器なの。
演目は出雲地方に伝わり、今でも有名。
アタシ?香香背男よ。

なぜ櫛と鏡がアタシの棺の足元に
置かれていたかって?
アタシが女装してオロチ退治したときの
小道具だからよ。で、アタシの場合、
人身御供の悲劇のヒロインは仮の姿、
龍退治するヒーローが真の姿。

アタシの国は、でも奪われてしまった。
太陽を背に金の鳶の弓を掲げた
アイツと、その軍勢に……


アタシの魂は山の巌に宿って、
村人たちから雨乞いされたわ、
今でも折々に思い出されては
物語られているの、
春の種まきや秋の実りの季節、
雷が激しく鳴る頃に。

今日は目が覚めて
道化てしまった、またね……
おやすみ。

( 2024.4.1 Twitter より )
( 2024.4.1 イラスト作成 Bing Image Creator )

 ※アタシ語りはフィクションです。


咲けるが中にふふめるは


梅花
開有之中尓
布敷賣流波
戀哉許母礼留
雪乎待等可

梅の花
咲けるが中に
ふふめるは
恋か隠れる
雪を待つとか

茨田王
(万葉集 19巻4283番)

※ふふむ(ふくらんで開ききらないでいる、つぼみのままでいる)


( 2024.2.7 Twitter より )
( 2024.2.4 イラスト作成 Bing Image Creator )


Dream-Song(Bing Image Creator)

あかりのない世界にともるあかり


– Dream-Song –

Sunlight, moonlight,
Twilight, starlight—
Gloaming at the close of day,
And an owl calling,
Cool dews falling
In a wood of oak and may.

Lantern-light, taper-light,
Torchlight, no-light:
Darkness at the shut of day,
And lions roaring,
Their wrath pouring
In wild waste places far away.

Elf-light, bat-light,
Touchwood-light and toad-light,
And the sea a shimmering gloom of grey,
And a small face smiling
In a dream’s beguiling
In a world of wonders far away.
     

( “DOWN-ADOWN-DERRY” Walter De La Mere 1922 )


( 2024.1.10 & 1.16 イラスト作成 Bing Image Creator +加工 )


– Dream-Song – – レモン水 (ginmuru-meru.com)


玉かぎる(Bing Image Creator)


玉かぎる
髣鬢(ほのか)に見えて
別れなば
もとなや恋ひむ
逢ふ時までは

山上臣憶良

(七夕の歌)
万葉集 巻八(一五二六)

玉蜻蜒
髣髴所見而
別去者
毛等奈也戀牟
相時麻而波

玉かぎる(ほのかに係る枕詞、玉の淡い光)
もとな(むやみに、どうしようもなく)

 
( 2021.11.26 Twitter より )
( 2024.1.10 &1.16 イラスト作成 Bing Image Creator +加工 )


玉かぎる – レモン水 (ginmuru-meru.com)