オリオン

天の川のほとりで
夜明けまで続く
相撲勝負を演じたのは
だれ?

天の牡牛と棍棒で
たたかう勇者は、
玉座に安住する神話を
持たない、常に受難。
受難こそ我が栄光と
夜空をわたる。

幾重にも名を変えつつ、
語られ描かれ祀られ、
謎に包まれているけれど、
かわらぬ星座の輝きは
誰もが知っている。

( 2021.9.21 Twitter より )


(参照)
誰? – ぶるーまーぶる (fairy-scope.com)

おとぎ話 – ぶるーまーぶる (fairy-scope.com)


月人壮士

夕星も
通ふ天道を
いつまでか
仰ぎて待たむ
月人壮士

ゆふつづも
かよふあまぢを
いつまでか
あふぎてまたむ
つきひとをとこ

万葉集 第10巻
2010番歌
柿本人麻呂(柿本人麻呂歌集)
題詞(七夕)


七夕

かささぎの 渡せる橋に おく霜の 
白きを見れば 夜ぞ更けにける

中納言家持
(小倉百人一首(6番) 『新古今集』冬・620)

冬の短歌だけれど、
七夕伝説を織り込んでいる。

七夕といえば、
宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」は
旧暦のお盆の夜の物語だという。
旧暦のお盆と七夕は関連が深い。

遠く離れた人を思う星空。

たとえば冬に「夏の天の川」を歌う。
「銀河のはずれにしかいない友」を嘆くも、
寄り添う双子の魂の旅路を描く。

不在を歌うことで、存在が浮かび上がる。
この二重性は、古来から詩人たちの
大きなモチーフなのだろう。

「慕情」というカテゴリー。


( 2021.7.7 Twitter より )


水の器

水の器という名の花が咲く
青い星の魔法を学びに
遠くから旅してきました。

さて、宙のオアシスで
ひとやすみ……すれども

こんこんと湧く清水のように、
なぜに心はやすまらぬ?
みしらぬ誰かが呼ぶような……
この青い星のほとりで……

みかの原 
わきて流るる泉河 
いつみきとてか 
恋しかるらむ

中納言兼輔 
( 小倉百人一首 27番 『新古今集』恋・996 )


( 2021.6.28 Twitter より )


水の器(絵 Bing Image Creator) – レモン水 (ginmuru-meru.com)