三日月の夜

灯りのついていない部屋の窓、
傾いた三日月がのぞいていた。
淡くひかる惑星の影をまとい、
十字のかがやきを闇に放って。

ぽっかり浮かぶ小さな三日月、
もっと小さな星つぶを連れて、
ほほ笑むように窓からのぞく。
飛行機の点滅灯が弓を横切る。

灯りのついていない部屋の窓、
ほほ笑むように。

              

(2019.11.30 Twitter より)

わが衣手に

君がため
春の野にいでて
若菜摘む
わが衣手に
雪は降りつつ

きみがため
はるののにいでて
わかなつむ
わがころもでに
ゆきはふりつつ

小倉百人一首 015 光孝天皇
(出典 古今集 春・21)

( 2020.3.11 Twitter より )

緑の曙光


闇からめざめる緑の風、かがやく東雲、
曙光を汲み、すきとおる新芽の色の杯、
緑閃光という名の魔法の美酒。

乾いた大地に恵みの雨がふりそそぐ、
星の光にやどるは、女神がこぼす涙、
新しい季節に芽吹きと実りを祈る。

伝えられたはずのその名も知らぬ、
古き女神の歩みは猫のようにしなやか、
風に舞う花びらほどにもかろやか。



( 2019.11.11 Twitter より )

(参照)
緑の曙光(2) – レモン水 (ginmuru-meru.com)

あかつきの光

太陽光・風・水・波・地熱☆
再生可能な自然エネルギーの恵み。

身近にあふれ、生命を育み、いつもは静か。
けれども大きな力と可能性とを宿している、

そんなイメージでイラストを描いてみました。


( 2019.6.23 Twitter より )

あじさいは水のうつわ。
しずくの水晶。
おだやかな月長石に心ひかれる。
シャボン玉にながれる虹。
公園のバラ、かおる色とりどり。
まちゆく傘のはな、さみだれにぬれる。
ちかづく夏至は、妖精の夜。
ながい昼、水無月のとびら。