白鳥の鷺坂山の松蔭に(Bing Image Creator)

もうすぐ新暦の七夕。
(旧暦の方が風情があると思う)

ハニワくんの時代(古墳時代)にも
天体への信仰や物語はあっただろうけれど、
首長の葬送儀礼の痕跡(壁画や副葬品等)から
推しはかるのみ。

七夕の牽牛織女伝説は、
中国伝来の貴族文化で、
奈良時代末期成立の万葉集に
多くの和歌が残る。

白鳥(しらとり)の
鷺坂山(さぎさかやま)の
松蔭(まつかげ)に
宿(やど)りて行(ゆ)かな
夜(よ)も更(ふ)けゆくを

白鳥 鷺坂山 松影 宿而徃奈 夜毛深徃乎

右柿本朝臣人麻呂之歌集所出
(柿本人麻呂歌集より)
(万葉集 巻9-1687 雑歌 鷺坂作歌一首)

( 2023.7.3 Twitter より )
( 2023.6.20 姫イラスト作成 Bing Image Creator )


白鳥の鷺坂山の松蔭に – レモン水 (ginmuru-meru.com)


水の器(絵 Bing Image Creator)

私は土地の長の娘。
幼い頃から人々に
「水の器」と呼ばれ、
大切に育てられました。

ある雨のふらない夏、
私は白い羽の衣をまとい、
水の神に捧げられました。
水の神が訪れたなら、
甕のお酒でもてなすのです。
私はふるえていました。
神の姿をみて
もどってきた「水の器」は
誰ひとりいなかったから。

三日月の光がおりてきて、
誰かが私を呼びました。

月のようにかがやく
剣をかざし、
私の前に立ったのは、
ひとりのみしらぬ旅人でした。
水の神があらわれ、
いくつもの鎌首をもたげ、
私を呑みこもうとしましたが、
旅人はあざやかな剣さばきで
うねる首をかたはしから
切り落としました。
水の神としてあがめられていたのは、
おそろしいオロチだったのです。

たおれた水の神の尾から、
氷のようにかたく
星の雨をしたたらせる剣が、
ひとふりきらめき、あらわれました。
オロチを退治した旅人は
その剣を手にとり、にっこりしました。
「ケガはないか?ぶじでよかった」
やがて彼は、この地に館を築きあげ
「水の器」を妻にしました。

八雲立つ 出雲八重垣 妻ごみに
八重垣つくる その八重垣を(古事記)

あぢさゐの八重咲くごとく
弥(や)つ代にをいませ我が背子
見つつ偲はむ(万葉集)

(水の器と呼ばれて
今は名も忘れられた娘と、
ふらりふらり各地に足あとを
残した風来坊のお話です)

(引用)
古事記・日本書紀歌
万葉集(4448 橘諸兄)

※ hydrangea(アジサイ=水の器)

( 2023.6.5 Twitter より )
( 2023.6.5 イラスト作成 Bing Image Creator )


水の器(絵 Bing Image Creator)


水の器という名の花が咲く
青い星の魔法を学びに、
遠くから旅してきました。

さて、宙のオアシスで
ひとやすみ……すれども

こんこんと湧く清水のように、
なぜに心はやすまらぬ?
みしらぬ誰かが呼ぶような……
この青い星のほとりで

みかの原 
わきて流るる泉河 
いつみきとてか 
恋しかるらむ

中納言兼輔 
( 小倉百人一首 27番 『新古今集』恋・996 )


( 2021.6.28 Twitter より )
( 2023.5.31 イラスト作成 Micrsoft Bing Image Creator )


水の器 – レモン水 (ginmuru-meru.com)