からまる君を


美知乃倍乃
宇万良能宇礼尓
波保麻米乃
可良麻流伎美乎
波可礼加由加牟

道の辺(へ)の、
茨(うまら)のうれに、
延(は)ほ豆(まめ)の、
からまる君(きみ)を、
はかれか行かむ

丈部鳥(はせつかべのとり)
万葉集 第二十巻:4352

たのしい万葉集(4352): 道の辺の茨のうれに延ほ豆の (art-tags.net)

妻との別れを惜しむ防人の歌

つるバラ&豆のつる。
万葉集の時代の野茨は、
白い小さな花だった、とか。

昔の画像フォルダーに
豆のツルがあった。
金網にびっしり巻き付く
カラスノエンドウ(←たぶん)……
手入れされた花壇の花とは
異なる魅力を感じたっけ。

道端の野茨や豆科の花のように、
素朴で愛らしく一途な女性像が
思い浮かぶ、万葉集の防人の歌。
(文字だけで読むと大人っぽく
感じるが、野草イメージは清々しい)


( 2022.1.24 Twitter より )


萩の花 – レモン水

からまる君を(Bing Image Creator) – レモン水


玉かぎる

玉かぎる
髣鬢(ほのか)に見えて
別れなば
もとなや恋ひむ
逢ふ時までは

山上臣憶良

(七夕の歌)
万葉集 巻八(一五二六)


玉蜻蜒
髣髴所見而
別去者
毛等奈也戀牟
相時麻而波

玉かぎる(ほのかに係る枕詞、玉の淡い光)
もとな(むやみに、どうしようもなく)

 
( 2021.11.26 Twitter より )


玉かぎる(Bing Image Creator) – レモン水 (ginmuru-meru.com)


月人壮士

夕星も
通ふ天道を
いつまでか
仰ぎて待たむ
月人壮士

ゆふつづも
かよふあまぢを
いつまでか
あふぎてまたむ
つきひとをとこ

万葉集 第10巻
2010番歌
柿本人麻呂(柿本人麻呂歌集)
題詞(七夕)