玉かぎる(Bing Image Creator)


玉かぎる
髣鬢(ほのか)に見えて
別れなば
もとなや恋ひむ
逢ふ時までは

山上臣憶良

(七夕の歌)
万葉集 巻八(一五二六)

玉蜻蜒
髣髴所見而
別去者
毛等奈也戀牟
相時麻而波

玉かぎる(ほのかに係る枕詞、玉の淡い光)
もとな(むやみに、どうしようもなく)

 
( 2021.11.26 Twitter より )
( 2024.1.10 &1.16 イラスト作成 Bing Image Creator +加工 )


玉かぎる – レモン水 (ginmuru-meru.com)


冬至の翌朝


冬至の翌朝。
6時でもとっぷり暗い。
夜明け前が一番暗いって、
こういう暗さのことかな……

暮れのニュースを眺めれば、
年末というより世も末な感じ。
夜明けの光明を待ちわびる。

冬至を過ぎて、
寒さはこれから増すけれど、
もう夜はこれ以上長くならない。
白々と朝がくる……

風景は移り変わっても、
黄道をめぐる太陽の物語は、
何千年も変わらず続く。
年の瀬にはそんなことを
つい考える。


( 2023.12.23 Twitter より )


おおかみのクリスマス・イブ

「父さんの仕事は、秘密なんだよね」

「息子よ、すまない。今夜は忙しくてな……」

それぞれの場所で狼星(シリウス)を
ながめるクールな夜。

サンタクロースの贈り物を狙う者達から
みんなの夢を守るため
人知れずパトロール中のおおかみさん、
風邪ひきませんように。


Twinkle, twinkle, little star,
How I wonder what you are!

たとえお前がなんであれ
光れ光れ 小さな星よ


( 2023.12.14 Twitter より )
( 2023.12.14 イラスト作成 Bing Image Creator)


住の江の岸に(Bing Image Creator)


道しらば
摘みにもゆかむ
住の江の
岸におふてふ
恋忘れ草

( 紀貫之 古今和歌集 恋・1111 )

住の江の
岸による波
よるさへや
夢の通ひ路
人目よくらむ

( 藤原敏行朝臣 小倉百人一首 18番 古今和歌集 恋・559 )



( 2023.11.11 イラスト作成 Bing Image Creator )


夢の通ひ路 – あかり窓 (memoru-merumo.com)

萱草(忘れ草) – レモン水 (ginmuru-meru.com)

昨日見し恋忘れ貝(Bing Image Creator) – レモン水 (ginmuru-meru.com)


満月(Bing Image Creator)

秋も深まる満月の日、
夜には咲かないはずの
ワスレグサの花の子が、
そっと目を覚まして
とおい向こう岸を見つめます。
赤いランタンをともし、
夜明けまで。

……もし水面(みなも)にうかぶ
金の毬(まり)をひろえたら、
夢の中で遊べるわ……

赤い目をしたカエルは、
いくつかの冬をこえ
もうすっかりおじいさん。
古池にゆれる金の毬(まり)を、
いつか両手でつかまえて
あの子に会いたいけれど……

あの子は、自分のことを
おぼえているだろうかと
なんだかすこし心配で……
秋には咲かないはずの
ワスレナグサの花に埋もれ
とおい夏の日の夢がたり。
忘れないでおくれよ、
わたしの歌を。

けろろけろろ
季節外れの歌を、
まんまるい月にてらされ
夜明けまで……

また、会えたらいいのにね。


Happy Halloween !


( 2023.10.29 イラスト作成 Bing Image Creator )

カエルが夜になくわけは – レモン水 (ginmuru-meru.com)

ゆふすげびと 立原道造 – レモン水 (ginmuru-meru.com)