“Le vent se lève,
…il faut tenter de vivre”
(Paul Valéry, Le Cimetière marin, 1923)
ときどきクリア希求
“Le vent se lève,
…il faut tenter de vivre”
(Paul Valéry, Le Cimetière marin, 1923)
北欧の女神フリガとフレイヤはよく似ている。
同一視されることもあるという。
フレイヤの双子の兄は、豊穣神フレイ。
フレイヤ(フリガ)の果物がイチゴで、
麦わらの苗床で栽培されるなら……
麦の精はフレイの従者(豊穣神の属性)
フレイ・フレイヤが仲良く寄り添っている図
が思い浮かんだ。
落書きは、北欧の女神・豊穣神とは、
特に関係なく……
イチゴちゃんとムギワラ兄さんを
描いてみたかっただけ……(;^_^A
(2021.3.27 Twitter より)
ムギワラの なえどこで
イチゴが みのりました。
ちいさなころから だっこして
おんぶして、
イチゴちゃんを おもりしてきた
ムギワラにいさん、
たびだつ イチゴちゃんを
なごりおしく みおくります。
「きっと しあわせになるんだよ」
「ええ、にいさんも おげんきで」
(コムギのパンと あかいジャム、
すがたをかえた ふたりが
また であうのは、
すこしあとの おはなしです……)
(2021.3.27 Twitter より)
幸多い年でありますように。
くろうさぎは、おおいそがし。
こんやじゅうに、たくさんのおくりものを
くばらなくては。
さむいきたのくにで、くろうさぎは、
みずうみのこおりのかけらをすくって、
まほうびんにいれました。
「こおりがとけないうちに、はやく
かえってきてね」
うちでまっている、しろうさぎが
そうおねがいしたからです。
「さあ、しごとはおわった」
ゆきのはらにそりをはしらせ、
もりのうちにかえろうとしたとき、
くろうさぎは、こごえたいちわの
つばめをみつけました。
「みなみのくにまで、もうひとっぱしり!」
そりをひくトナカイが、
よぞらにすずのねをひびかせ、
まいあがりました。
とべないつばめをのせて……
やまをこえ、かわをこえ、
さむいきたのくにから
あたたかなみなみのくにまで、
とおくとおくそりはかけて、
ようやくつばめは、なかまのもとへ。
「よかったね、まいごさん」
くろうさぎは、ほっとしました。
でも、はしりつかれたトナカイは
「もううごけないですよぉ」
と、おはなをまっかにして
あせびっしょりです。
「つめたいこおりで、げんきをだして」
くろうさぎは、まほうびんの
こおりのかけらを、トナカイにそっと
さしだしました。
こおりはすぐにとけて、
きれいなみずになりました。
トナカイは、つめたいみずをのんで、
しゃんとたちあがっていいました。
「もうすぐよがあける。はやく
うちにかえりましょう」
ほしがきえてあさひがのぼるころ、
トナカイのそりは、もりにつきました。
「おかえりなさい」
しろうさぎが、まっていました。
「こおりはとけてしまったよ。
すまないが、かわりにこれを」
くろうさぎのてには、いちりんのはな。
「まあ、ひとあしはやい、はるのかおり」
しろうさぎは、にっこり。
「みなみのくにに、よりみちしたよ」
くろうさぎのことばにうなずいて、
しろうさぎは、テーブルのグラスに、
はないちりんをかざりました。
「みずうみのこおりをうかべた
このグラスでふたり、かんぱい
するつもりだったけど」
テーブルには、おいしそうな
あさごはんがならんでいます。
「なんてやさしい、はるのいろ」
みなみのくにや、きたのくに、
ひがしのくにに、にしのくにでも、
とどけられたおくりもののつつみが、
そろそろ、ひらかれているでしょう。
たくさんのえがおをおもいうかべ、
おなかがいっぱいになった
くろうさぎとトナカイは
あくびをしました。
おやすみなさい、みなさん、
よいゆめを……
(2020.12.25 Twitter より)