オリオンは高く


「下流の方は川はば一ぱい銀河が巨きく写って
まるで水のないそのままのそらのように見えました。」

宮沢賢治 銀河鉄道の夜 (aozora.gr.jp)

9月21日は、宮沢賢治の命日。
そして中秋の名月。
9月22日は、秋分の日。
昼よりも夜が長い日々の始まり。


星めぐりの歌を銀笛で吹き鳴らす、
双子の星の水精のお宮は、
天の川の向こう岸……彼岸。


( 2021.9.22 Twitter より )


七夕

かささぎの 渡せる橋に おく霜の 
白きを見れば 夜ぞ更けにける

中納言家持
(小倉百人一首(6番) 『新古今集』冬・620)

冬の短歌だけれど、
七夕伝説を織り込んでいる。

七夕といえば、
宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」は
旧暦のお盆の夜の物語だという。
旧暦のお盆と七夕は関連が深い。

遠く離れた人を思う星空。

たとえば冬に「夏の天の川」を歌う。
「銀河のはずれにしかいない友」を嘆くも、
寄り添う双子の魂の旅路を描く。

不在を歌うことで、存在が浮かび上がる。
この二重性は、古来から詩人たちの
大きなモチーフなのだろう。

「慕情」というカテゴリー。


( 2021.7.7 Twitter より )