冬至の翌朝


冬至の翌朝。
6時でもとっぷり暗い。
夜明け前が一番暗いって、
こういう暗さのことかな……

暮れのニュースを眺めれば、
年末というより世も末な感じ。
夜明けの光明を待ちわびる。

冬至を過ぎて、
寒さはこれから増すけれど、
もう夜はこれ以上長くならない。
白々と朝がくる……

風景は移り変わっても、
黄道をめぐる太陽の物語は、
何千年も変わらず続く。
年の瀬にはそんなことを
つい考える。


( 2023.12.23 Twitter より )


おおかみのクリスマス・イブ

「父さんの仕事は、秘密なんだよね」

「息子よ、すまない。今夜は忙しくてな……」

それぞれの場所で狼星(シリウス)を
ながめるクールな夜。

サンタクロースの贈り物を狙う者達から
みんなの夢を守るため
人知れずパトロール中のおおかみさん、
風邪ひきませんように。


Twinkle, twinkle, little star,
How I wonder what you are!

たとえお前がなんであれ
光れ光れ 小さな星よ


( 2023.12.14 Twitter より )
( 2023.12.14 イラスト作成 Bing Image Creator)


誰かまた花橘に


誰かまた
花橘に
思ひ出でむ
我も昔の
人となりなば 

藤原俊成
( 新古今和歌集 238 )


五月待つ
花橘の
香をかげば
昔の人の
袖の香ぞする

( 古今和歌集 夏 詠み人知らず )


( 2023.12.2 イラスト作成 Bing Image Creator +CG加工 )


住の江の岸に(Bing Image Creator)


道しらば
摘みにもゆかむ
住の江の
岸におふてふ
恋忘れ草

( 紀貫之 古今和歌集 恋・1111 )

住の江の
岸による波
よるさへや
夢の通ひ路
人目よくらむ

( 藤原敏行朝臣 小倉百人一首 18番 古今和歌集 恋・559 )



( 2023.11.11 イラスト作成 Bing Image Creator )


夢の通ひ路 – あかり窓 (memoru-merumo.com)

萱草(忘れ草) – レモン水 (ginmuru-meru.com)

昨日見し恋忘れ貝(Bing Image Creator) – レモン水 (ginmuru-meru.com)


萱草(忘れ草)


(萱草の精が語る……)

「夏の真昼、夕焼け色に咲くのは
今日をわすれないでほしいから。
昨日の涙はわすれましょうよ。
訪れる日暮れに目をとじたなら、
明日も咲いていられるか
わからないけれど」

「明日の夜明けが
若草色にもえたなら、
また会えるかもしれないわ。
もし水面(みなも)にうかぶ
金の毬(まり)をひろえたら、
夢の中で遊べるわ」

「……そんな言い伝えがあるの」

(古人が詠う……)

道しらば
摘みにもゆかむ
住の江の
岸におふてふ
恋忘れ草

 ( 紀貫之 古今和歌集  巻第十四 恋歌四 1111 )


( 2023.11.11 イラスト作成 Bing Image Creator )


カエルが夜になくわけは – レモン水 (ginmuru-meru.com)

住の江の岸に(Bing Image Creator) – レモン水 (ginmuru-meru.com)