うつりにけりな


花の色は
うつりにけりな
いたづらに
わが身世にふる
ながめせしまに

小野小町
(小倉百人一首 9番 『古今集』春・113)

Color of the flower
Has already faded away,
While in idle thoughts
My life passes vainly by,
As I watch the long rains fall.
(Ono no Komachi)

( Clay MacCaule版 1917年出版 )
Hyakunin Isshū – Wikisource, the free online library
Petals and Moon — 英語で百人一首 (petals-and-moon.blogspot.com) 様より


1917年出版の英訳「百人一首」では、
「花の色は」桜の花に限定されない
“Color of the flower”
と表現されているそうだ。

写真は、公園で撮ったノヴァーリス。
薄紫の青薔薇。
青い薔薇は存在しないはずだったが、
品種改良を重ねて誕生した品種で、
ノヴァーリスの幻想小説「青い花」に
ちなんで名づけられたという。

花の色も花の名も、
古今東西さまざまに移ろって
その移ろいの有り様は、趣深い。


花の色は – レモン水 (ginmuru-meru.com)