(萱草の精が語る……)
「夏の真昼、夕焼け色に咲くのは
今日をわすれないでほしいから。
昨日の涙はわすれましょうよ。
訪れる日暮れに目をとじたなら、
明日も咲いていられるか
わからないけれど」
「明日の夜明けが
若草色にもえたなら、
また会えるかもしれないわ。
もし水面(みなも)にうかぶ
金の毬(まり)をひろえたら、
夢の中で遊べるわ」
「……そんな言い伝えがあるの」
(古人が詠う……)
道しらば
摘みにもゆかむ
住の江の
岸におふてふ
恋忘れ草
( 紀貫之 古今和歌集 巻第十四 恋歌四 1111 )
( 2023.11.11 イラスト作成 Bing Image Creator )
カエルが夜になくわけは – レモン水 (ginmuru-meru.com)
住の江の岸に(Bing Image Creator) – レモン水 (ginmuru-meru.com)