いばらのかげに


いばらのかげに

いばらのかげに、
ひもじさ、さむさ。
花さくかげに、
白金(しろがね)、黄金(こがね)。

北原白秋訳 まざあ・ぐうす (aozora.gr.jp) より

このイメージに惹かれたので、
北原白秋訳の原詩を探してみたが、
どのマザーグースの本を訳したとも
記述が見当たらず、

「この本の中の童謡はおもに
そのマザア・グウスから訳したのですが、
そのほかにもイギリスやアメリカの
子供のうたっているので違ったのが
たくさんつけたしてあります」

と白秋の「はしがき」が添えられている。
「いろんな本がでています。
日本ではこのわたしのが初めてです」
とはしがきにあるので、
童謡マザーグースを翻訳した児童書の出版は、
北原白秋訳が初めてらしく、
複数の英語本を参考に編纂したようだ。

検索すると、マザーグースの日本への
初紹介は英語の教科書という指摘があった。

明治のマザーグース (ozorasha.co.jp)

あれこれ検索してみたが、
白秋訳「いばらのかげで」の原詩は
見つけられず、もしかしたら
元はイギリスやアメリカの童謡かも
しれないとも考えた。
(児童読み物より早く、
マザーグースは英語の教材、
次に唱歌の教材として導入されたという、
上記サイトさんの指摘を参考に)

The Project Gutenberg eBook of Mother Goose’s Nursery Rhymes, by Walter Crane, et al.

白秋は原詩を明記していないけれど、
なんとそれを探し出して、英和対訳で
出版している本があった。(*^-^*)

Under the furze

「いばら」は意訳で
ハリエニシダのことらしい。
アイルランドには、
ハリエニシダを使った
伝統行事があるという。
そこまでわかれば十分……

英和対訳 北原白秋 まざあ・ぐうす / マザーグース | 北原隆吉, マキノカヲル | 小説・文芸 | Kindleストア | Amazon

11月4日 Under the furze いばらのかげには|かすてら|note

いばら=薔薇のことだろうか、と
Under the rose で探しても
見つからなかったけれど……(;^_^

さらに Under the rose は慣用句で
「秘密にする」の意味があって、
惑わされた……Orz
明治の学校唱歌の「庭の千草」
の意訳かと思ったり迷走……
いばら=ハリエニシダだったとは。

ネットの検索って便利だなあ、
つくづく。(*^▽^*)

ロビンソン商会 歌詞対訳works : The Wren In The Furze《金雀枝の中の鷦鷯》The Chieftains (blog.jp)

「 黄色い花をつけるハーブ。
毒性アルカロイドを持つが、
使い方次第では薬にもなる。
ケルトでは太陽神の象徴とされ、
キリスト教以後も妖精や魔法に関連するとされた。
魔女はこのエニシダで魔法の箒を作るとされる」

エニシダが登場するアイルランド民謡を
紹介しているサイトさんより引用。

エニシダの黄色い花は、
ケルトの太陽神ルーの象徴だという。
白秋訳「いばらのかげに」は、
冬の寒さに耐え、春の到来を待ち望む人々の
思いがこめられた詩(歌)なのだろう。


( 2022.1.20 Twitter より )


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