かささぎの 渡せる橋に おく霜の
白きを見れば 夜ぞ更けにける
中納言家持
(小倉百人一首(6番) 『新古今集』冬・620)
冬の短歌だけれど、
七夕伝説を織り込んでいる。
七夕といえば、
宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」は
旧暦のお盆の夜の物語だという。
旧暦のお盆と七夕は関連が深い。
遠く離れた人を思う星空。
たとえば冬に「夏の天の川」を歌う。
「銀河のはずれにしかいない友」を嘆くも、
寄り添う双子の魂の旅路を描く。
不在を歌うことで、存在が浮かび上がる。
この二重性は、古来から詩人たちの
大きなモチーフなのだろう。
「慕情」というカテゴリー。
( 2021.7.7 Twitter より )