水瓶を傾ける月の化身


昨日は法事で、阿弥陀如来と観音菩薩と勢至菩薩とを拝んだ。
三尊でまつられる、ってユーラシア大陸の古来の宗教って
そんなの多いなぁってぼんやり考えてる。
阿弥陀如来は、無限の寿命と光明。
観音菩薩は、いろいろ変身。毘沙門天だったり迦楼羅だったり。
勢至菩薩は、水瓶を宝冠に頂く、月の化身。

勢至菩薩は、観音菩薩とペアで
阿弥陀如来の両脇に配される。
観音菩薩は有名だけど、
勢至菩薩は単体で信仰されることが少ないそうだ。
二十三夜の月待ち講は、勢至菩薩のイベント。
午年生まれの守護仏だとか。
宝冠に水瓶をつけている、月、午(馬)……
イランの慈雨の神ティシュトリャにも似ている。

ティシュトリヤと似たエジプトのイシス。
イシスと同一視されたネイト(水の女神、戦士と死者の女神)、
イシスと姉妹のネフティス(葬送の女神)……
この辺りの古い女神のイメージが流れ込んではいまいか、と妄想。

たとえお前がなんであれ、光れ光れちいさな星よ。
(異国のわらべ歌?エンデのモモの巻頭句)

ただ南無阿弥陀仏と唱ふべし。

同じこと言ってるのかも……とふと思った。

勢至菩薩(せいしぼさつ)、
梵名マハースターマプラープタ (महास्थामप्राप्त [mahāsthāmaprāpta])
三昧耶形は未敷蓮華(ハスの蕾)。種子(種子字)はサク(सः saḥ)。
真言 おんさんざんざんさくそわか

https://t.co/iJ7pBPnnAE
(wikipedia 勢至菩薩 より)

sah かぁ。古代メソポタミアでは、
オリオン座の三ツ星より上の領域を「サフ」と呼んだという。
サフ転じて、中国ではオリオンの三ツ星を「参」と表し、
日本では「参」「三」をサンと読む。
二十三夜の下弦の月って、器を傾けるような動きをするし、
まるで聖水を入れた椀、夜空に浮かぶ椀型の舟のよう。

二十三夜の月と勢至菩薩。
冥府に旅立つ者に、水瓶を傾け聖水を授けるイメージ。
伏せた椀として東(夜)から昇り、
くるっと転じて空に浮かぶ舟となり、西(朝)に沈む半月。
闇の淵を照らす知恵を授けて
夜明けに導き救うイメージが生じたのではないか、と。
観音菩薩には金星神のイメージが強いけど。

三日月の舟に乗って夜空を渡ってゆくのは、
古くはメソポタミアの月神シン(ナンナ)。
生死の神秘を司る智恵と時の神には、
エジプトの月神トートもいる。

          (2019.2.25 Twitter より)

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