ginmuru-meru ・「アメリカン・スナイパー」 読書メモ・

 
 
→ HOME
 

Illust & Poem

→ くさばな
→ どうぶつ
→ さかな
→ むし
→ とり
→ ひと
→ いし
→ そら☆ほし
→ ぽえむ
 

Story

→ ハニワくん
 

Links

→ みかん☆ぶろぐ
→ れもん☆ぶろぐ
 

Dialy

→ こんにちは☆
→ Books & News
→ りれき

 

 

アメリカン・スナイパー

 

 

クリス・カイル & ジム・デフェリス&スコット・マキューエン 著

田口 俊樹・他 訳

(ハヤカワ・ノンフィクション文庫、早川書房、2015年2月25日 発行)

 

 

 

- Twitter より -

 

「アメリカン・スナイパー」(クリス・カイル著)

是非読んでみて、とオススメされ借りたのに、

ウクライナ戦争に圧倒されて1ヵ月以上手つかず。

オススメされたからには、読まないと……

(2022.4.19)

 

息子のおすすめ本

「アメリカン・スナイパー」も

まだ手付かず。読まなきゃと思うけど。

夫のおすすめは

「屋根の上のヴァイオリン弾き」

私のおすすめは

「ゼレンスキー、ピアノ」で

Youtube動画検索。(;^_^A

(とっても楽しそうだから)

(2022.4.30)

 

「アメリカン・スナイパー」(クリス・カイル著)

を読み始める。

まだプロローグ&一章のみ。

これは一日一章と決めて読まねば無理?

ロシアのウクライナ侵攻以来、

半年以上も借りっぱなしの本ゆえ、

読破して感想を言える状態で返さないと……Orz

&ワンピース最新映画のウタ動画もおすすめ、と?

(;^_^A

(2022.9.21)

 

「アメリカン・スナイパー」2〜3章読了。

14章まで先はまだまだ……

第二次湾岸戦争(イラク戦争 2003.3.20-2011.12.14)

の前夜、アメリカ海軍 SEAL の任務や

砂漠での訓練の体験が綴られる。

イラクからの原油やナツメヤシ輸出船を

公海上で監視・拿捕……国連のもとでの

米軍やスペイン軍の活動

(セメント袋の下にミサイル発見)等

ハードな内容。

(2022.9.22)

 

4章読了、5章にさしかかる。

口述筆記の自伝の重みゆえか、

すいすいとは読めない。

(2022.9.25)

 

5章読了。

SEALスナイパー養成訓練の体験談。

 

ウクライナのアゾフ大隊や

いま実戦に参加しているウクライナの若者達も、

アメリカやNATOの軍事訓練を受けているそうだが

……本書で語られているような、

こんな厳しい過程を経ているのだろうか。

 

戦士の言葉を読み進めて、

「上官の指示に従い任務を全うする」ことに

人生を捧げているゆえ非情な行為も可能に

なっていくのだと気づく。

(繰り返す訓練はそれを強化する)

戦士に無益な闘いをさせないために、

上官や国の指導者の判断がいかに重要か。

(例、宇露戦争)

軍師孔明は、現代にも必要。

(2022.9.28)

 

6章読了。

イラク(ファルージャ)での激戦の日々を描く。

愛用していたのは野球帽、

そして9.11テロで殉職者の出た

ニューヨーク市消防署の帽子

(復讐してくれと託されたのだという)

米海兵隊を援護し、

負傷者救出のため銃火の中で奔走した日々を、

抑制された言葉で語る。

(2022.10.9)

 

7章読了。

イラク(ファルージャ)で、

ときにSEALの任務(狙撃兵)を超え

地上の遊撃手を務める。

バクダッドの基地に帰還して

イラク要人警護や反政府勢力の摘発を

担当したり。様々な場面を生き延び、

スナイパーとして名を馳せていく戦場。

アメリカの家族にも、

死と隣り合わせの日常が伝わり心配される。

 

イラク民主化の大義(選挙の無事な遂行)

のためではなく、

「戦場の友人を守るため、祖国のために戦った」

という述懐が印象的。

 

イラク派兵され、祖国に帰還後PTSDの発症に

苦しんだアメリカ人が多数いたことを想起……

(2022.10.13)

 

8章読了。

無事アメリカに帰国、

我が家で妻や子との

平穏な暮らしを取り戻すものの、

どこか馴染めずSEALでの特殊訓練に励む。

家族や友人と美しい打ち上げ花火を眺めつつ、

行方不明の戦友が気がかりで

心は殻に閉じこもる。

退役を望む妻と子

(第二子は生まれたばかり)

を残し、再び戦地に戻る30歳の兵。

(2022.10.14)

 

9章読了。

ファルージャから逃げた反政府武装勢力の

多くが潜伏する、イラクで最も危険な街

ラマディ。

アメリカ陸軍に先行し、海兵隊が

基地を築き毎日のように戦闘。

民主化路線のイラク人を立て、

実質は米軍が武器を駆使し攻略。

「発展に必要な道具を与えることは

私の仕事ではない」

と戦争が日常の兵。

(2022.10.21)

 

10章読了。

「ラマディの悪魔」と呼ばれ、

高い懸賞金のポスターが張られるまでに、

反政府武装勢力を狙撃し続けた日々。

死の危険との隣り合わせに慣れ、

殺戮した人数を仲間と競う。

イラク人には敵視され、

アメリカ本国の日常を送る人々にも

理解され得ない、

派兵された軍人にとっての

「現実=戦場」を語る。

 

海軍(海兵隊)に所属しながら

陸軍と行動を共にし、

信頼関係を築く兵士たち。

(軍規に沿いつつも、

個人の判断・自主性を認め活かす

アメリカならでは?の現場組織の

柔軟性・機動性が印象的)

殺伐とした修羅場を幾度も生き延びるうち、

自分は不死身で守護天使がついている、

と思い始めるスナイパー。

(2022.11.16)

 

11章読了。

ラマディで戦友が銃撃され、

治療するも失明。

その報復作戦で待ち伏せされ、

もうひとりの戦友が命を落とす。

基地に一時帰休し失意の中、

妻からの電話で、幼い娘が

白血病かもしれないと告げられる。

戦地からの脱出を軍に助けられつつ、

急遽アメリカに帰還する。

 

12章読了。

娘は検査の末、白血病ではないと判明。

帰国して安らぎを得るはずが、

家族とのすれ違いトラブルに悩み、

妻と話し合いを重ねる。

負傷したままの膝の手術を受け、

厳しいリハビリ訓練に耐える。

回復して軍の訓練所に復帰するが、

街の盛り場で乱闘、手を骨折、警察沙汰……

そしてまた戦場へ。

 

「戦争とは死を、それもほとんどは

非業の死を意味するのだ」

という言葉から、

死を直視せず敵を狙撃していた

日々の果てに戦友の負傷や死を経験し、

スナイパーとして大きな心境の変化が

あったことを感じさせる。

娘の白血病の疑いで急遽の帰国、には

当時問題になった「劣化ウラン弾」の

影響を想起した。

(2022.11.27)

 

13章読了。

4度目のイラク派兵、

バクダッド郊外サドルシティでの

任務部隊としての過酷な銃撃戦。

頭部を狙い撃ちされたが、

暗視スコープで弾が跳ね返り、

九死に一生を得る。

SEALでの活躍が続き

上等兵曹に昇進するも、

戦闘のない静かな時間には

死の恐怖に苛まれ憔悴、

帰国。

 

14章読了。

帰国して休養中も

仲間を見捨てた罪悪感に苦しむ。

兵役期間の終了を控え、

妻との話し合いの末、退役を選ぶ。

酒に溺れる日々を乗り越え、

家庭生活を再建する。

狙撃訓練所の経営や、自伝の出版、

PTSDや負傷に苦しむ退役軍人の

支援活動を始める。

戦争は人を変えてしまう、

が後悔はしていない。

 

 

解説によれば、

著者クリス・カイルは

本書出版の1年後、2013年2月に、

PTSDを患う海兵隊の退役軍人

(カイルが支援中だった)

に射殺され、

アメリカ国民に大きな衝撃を与えた。

2014年クリント・イーストウッド監督

「アメリカン・スナイパー」

が劇場公開され、

戦争を描いた映画として

社会的反響を呼んだ。

 

 

500ページのハヤカワ文庫、

2カ月半かかってようやく読了。

ウクライナとロシアの戦争が始まった頃に、

息子にすすめられた本。

一気読みは無理な内容で、

かといって途中放棄も出来ず、少しずつ読んだ。

途中で弱音を吐いたら

「すすめたのは映画だけど、

映画よりは刺激が少なそうだから本がいいって」

 

そう言って本を借りたのは私自身だそうな……(;^_^A

こんな重い内容なら、

クリント・イーストウッド監督の映画をみた方が

受け止めやすかったかも(観客用に描かれているから)

 

イラク派遣の狙撃兵による口述筆記の自伝。

抑制された言葉の裏に、語れない内容も

多く含まれているだろうが、意味深い記録。

 

「一気読みできた?」

と息子に聞いたら、

高校生の頃、朝の読書の時間に少しずつ読んだ、

とのこと……なるほど。

 

一冊読んでも、言葉が出てこない。

「約束は守った、読み通したぜ」

「長いこと貸してくれてありがと」

かな……Orz

 

次のオススメ本は、ロシアの

ヴィクトル・ペレーヴィン2冊。(;^_^A

(2022.12.3)

 

 

 

戦争もテロも理不尽で悲惨。

著者は「暴力は必要」と述べているが、

(国軍の前衛だった著者の渾身の主張を

すべて読んだ上での感想として)

暴力に頼らず、将来にわたって

戦争やテロを防ぐ知恵と努力こそが、

人が幸福に生きるために必要だと思う。

 

×必要→〇最も必要

 

暴力を暴力によって

止めたり終らせることは

一時的に可能かもしれない。が、

それが新たな火種となり、

解決に結びつかないこともある。

 

テロ抑止のための尖兵として

過酷な使命を果たしたスナイパーが

PTSDの退役軍人に射たれた非業の死は、

戦争や暴力が人々を幸せにしないことを

教えてくれる。

(2022.12.4)

 

 

 

 

 

©ginmuru-meru.com 2022